今日は有機栽培のお話です。
有機栽培と無機栽培(化成肥料)の違いをご存知でしょうか。
有機栽培だと『自然にやさしいし、体にいいわぁ。』という感じかと思いますが、
本当は違います。
まずは、植物の栄養吸収について説明してからお話を進めていきましょう。
①植物は土の中の窒素(N)分を硝酸(HNO3)という形で取り込む。
②これを亜硝酸(HNO2)に変化させる。
③さらにアンモニア(NH3)に変化をさせる。
④葉っぱから吸収した二酸化炭素(CO2)と③のアンモニアからアミノ酸(NCHO)を合成する。
⑤このアミノ酸を使用して、葉や茎の材料を作っていっています。
じゃあ、効率良く植物を育てるには、硝酸を土に入れてやればイイじゃん。
という考えになるかと思います。この考え方が無機栽培の考え方です。
しかし、植物の土の中の窒素の吸収ルートはもう一つある事が確認されています(2002年7月31日 日本農業新聞ー作物の根、有機物を吸収@農業環境技術研究所)。
どういう事かと言いますと、何と④のアミノ酸を直接吸収する機構ももっているらしいのです。つまり、アミノ酸を植物の体内に発生させる際、有機栽培であれば、直接アミノ酸を吸収できるので、無機栽培の時に必要であった①~③の工程がいらなくなるのです。
この省かれた工程①~③に使われる筈であったエネルギーは他の事に使えるようになり、成長することに余裕が出てきます。この余裕が植物をリッチにするのです。
このことを知った時、ヒトにとっての有機栽培とはなんなのかを考え、ヒトの根本治療に共通するところがあると思いました。
ここからは、植物が栄養を取り、成長していく様をヒトが傷を癒すことに置き換えて話を進めてみましょう。
ヒトは労働をすると疲れ、それにより傷がつきます。
この傷をいかに効率よく修復することができるかが、その人の人生を左右します。
人により回復力が異なるし、傷のつき方も異なります。
普段の生活を送りながら治せる傷の量は限られています。回復力を超えた傷がついてしまった場合、修復は不能となり、その傷が回りを滞らせ根本にまで影響が及びます。
何がそのヒトの根本にまで影響を与えている傷なのか?を常に見極め、適格な処方をすることで、根本を回復することができます。この根本にまで影響を与えている傷を癒すことがヒトにとっての有機栽培なのではないかと感じています。
根本治療をすることで、人生に余裕が生まれ、人生が満たされたものになっていくのです。